宝石のイラスト・パイロープガーネット・アルマンディンガーネット 【1月の誕生石】
Pyrope Garnet・Almandine Garnet
パイロープガーネットは、オーストラリアやチェコなどで産出される赤いガーネットの一種で、黒みがかった赤色が特徴です。パイロープの語源は、ギリシャ語で「ピロポス(火炎)」という意味に由来します。
アルマンディンガーネットは、パイロープよりも濃い地色でややピンク味を帯びた色調です。世界各地で産出されますが、古くからアルマンディンを研磨しているトルコのアラバンダ(現・アラサフィール)にちなんで命名されています。
2つのガーネットは融合されていることが多く、一般的に「パイロープ・アルマンディン・ガーネット」として流通されています。こちらのページでは、アルマンディンガーネットとパイロープガーネットの魅力と楽しみ方を紹介します。
個別の宝石でも、成分が融合されていることが多い
「アルマンディンガーネット」と「パイロープガーネット」は別の宝石ですが、成分が融合されていることが多いです。見た目の違いはわからないうえ、希少性の高い珍しい宝石というわけではないため、宝石鑑別書が作成されることは少ないでしょう。そのため、しばしば「パイロープ・アルマンディン・ガーネット」として流通されています。
落ち着いた赤が魅力のパイロープガーネット

原石の種類 | :鉱物種パイロープガーネット /和名【苦礬ざくろ石】 |
モース硬度 | :7〜7.5 |
結晶系 | :等軸晶系 |
化学組成 | :マグネシウム・アルミニウム珪酸塩 |
劈開 | :なし |
光沢 | :ガラス状 |
色 | :赤、紫、茶 |
赤いガーネットを代表する種類のひとつが、パイロープガーネットです。茶色に近い少し暗めの濃赤色で、比較的小粒の結晶で採石されます。小粒の良さを活かし、昔から粒を集合させたデザインに仕立てられてきました。
ヨーロッパでは、古くから装飾品として親しまれてきたことから、アンティークジュエリーなども多いガーネットです。赤系色の宝石としてはもっとも落ち着いた色合いで、長く楽しめる宝石のひとつでしょう。
ややピンク味を帯びた、アルマンディンガーネット
原石の種類 | :鉱物種アルマンディンガーネット /和名【鉄礬ざくろ石】 |
モース硬度 | :7〜7.5 |
結晶系 | :等軸晶系 |
化学組成 | :鉄、アルミニウム珪酸塩 |
劈開 | :なし |
光沢 | :ガラス状 |
色 | :赤、紫、橙、茶 |
赤いガーネットに代表されるもうひとつの種類が、アルマンディンガーネットです。比較的大きなサイズで採石されるため、パイロープなどの他のガーネット成分が含まれることも珍しくありません。
産出量が多い種類ですが、高品質なものが採石されることは少ないです。インクルージョンを示すのが特徴で、典型的なものにルチルや角閃石の針状結晶があげられます。カボションカットすると4条のスターが見られることもあります。