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伝統的なジュエリー・カメオとは
「カメオ」とは、貝や石の上に緻密な浮き彫りを施した小さな芸術品のことです。
シェル(貝殻)やストーン、珊瑚や象牙、あるいは木材や金属などさまざまな素材が使われます。
こちらのページでは、繊細で美しい宝石の芸術・カメオについて紹介します。
カメオの歴史
カメオの技法は古代ギリシャで向上し、装飾品やお守りなどに用いられ、神聖なものとして扱われました。
また、印章代わりにカメオやインタリオを施した宝石を指輪にはめていたとも考えられています。
カメオといえば横顔の女性像ですが、それ以外にも花や風景、ギリシャ神話など、貝や石の特徴を生かしさまざまなテーマで彫刻がされます。
基本的なデザインや彫刻技術に加え、豊かな創造性や優れた美的感覚を持ったアーティストには「マエストリ(彫刻の大家)」という称号が与えられるそうです。
絵画に描かれたカメオ

ロレンツォ・ロット「マルシリオ・カソッティとその妻」(1523)
華麗に着飾った若く初々しい男女は、布商人の御曹司とその婚約者ファウスティーナです。
体のラインに対してゆったりと裁断されたのであろう衣類の生地は、美しい光沢感があり、襟や袖には上品なレースが施されています。
男性はお洒落な帽子をかぶり、女性の首には花嫁の純潔を意味する真珠のネックレス、そしてカメオのペンダントがかけられています。

カメオのペンダントをよく見ると、横顔の肖像が施されているのがわかります。これは、古代ローマ皇帝アントニウスの奥方・ファウスティーナです。
当時の肖像画は人物が不明であることが多いのですが、このペンダントをつけた女性の名前が「ファウスティーナ」であることを、カメオの彫刻が物語っている一枚です。