宝石のイラスト・ダイヤモンド【4月の誕生石】
Diamond(Colorless-Yellowish)
宝石の象徴的な存在である、透明無色のダイヤモンド。独自の金剛光沢とファイアと呼ばれる強い輝きは、ダイヤモンドならではの醍醐味でしょう。
こちらのページでは、透明無色のダイヤモンドの特徴や楽しみ方を紹介します。
原石の種類 | :鉱物種ダイヤモンド/和名【金剛石】 |
モース硬度 | :10 |
結晶系 | :等軸晶系 |
化学組成 | :炭素 |
劈開 | :強い |
光沢 | :金剛 |
色 | :無色〜黄色 |
産地 | :南アフリカなど |
歴史的に見ても価値のある宝石・ダイヤモンド
19世紀、南アフリカ・トランスバールの鉱山で大きなダイヤモンドの結晶が発見されました。それ以前は、川底を探すしかなかったダイヤモンドの鉱山が発見されたことで、トランスバールにはヨーロッパ中からダイヤモンドを求める人が集まりました。
当時、植民地支配を広げていたイギリスは、このダイヤモンド鉱山と、同じ時期に見つかった金鉱を得るために、戦争をはじめます。2度にわたって20年以上続いた戦争は、多くの犠牲をはらい、イギリスが勝利して終結しました。ダイヤモンドは、戦争を引き起こすほど価値があったのです。
エリザベートのダイヤモンドジュエリー

「オーストリア皇后・エリーザベト」(1865)
ヴィンターハルターが描いたエリザベートの肖像画では、シルクオーガンジーのドレスをまとった幻想的なエリザベートの姿があります。完璧な美と絶賛されたオーストリア皇后・エリザベートの髪には、ダイヤモンドジュエリーが飾られました。
髪に散りばめられたジュエリーをよく見ると、星型になっているのが分かるでしょう。これは、オーストリア・アルプスを象徴する花、エーデルワイスを表したデザインです。
ダイヤを使ったこのジュエリーは、金具で繋げてティアラにもなる仕組みでした。宝石の象徴であるダイヤモンドと、美しいと讃えられたエリザベートの理想的な共演です。
最上ランクは「D」ダイヤモンドのカラーグレード
ダイヤモンドの品質は、鑑定基準である4C、Color(色)、Cut(カット)、Clarity(傷)、Carat(カラット、重さ)で判断されますが、そのひとつが Color(色)です。
ダイヤモンドの多くは無色から淡い黄色ですが、最上ランクである無色透明のもの(D)から、黄色味がかった色合い(Z)までの23段階で細かくグレード分けされています。
- DEF:無色透明
- GHIJ:ほぼ無色
- KLM:わずかに黄色
- N〜R:非常に淡い黄色
- S〜Z:淡い黄色
Jランクまでであれば、肉眼では黄色味がかっていることが分からないので、予算をかけたくない場合におすすめです。また、Z〜は逆に、希少価値のあるカラーダイヤモンドとして評価されます。
ダイヤモンドの輝きは、カット技術の賜物
一般的によく見かけるダイヤモンドは、ラウンドブリリアントカットなど、ダイヤモンドの美しさが最大限に引き出されるようにカットが施されています。
カット技術が確立されるまでは、ダイヤモンドが宝石として華やかに光り輝くことは誰にも知られていなかったため、ルビーやサファイアのほうが価値の高い宝石とされていました。ダイヤモンドの強い輝きは、カット技術の進化なくしては生み出されなかったことでしょう。
ダイヤモンドを専門に取り扱うショップや業者も多いため、好みや希望に合ったものが見つかるでしょう。尚、ダイヤモンドは他の宝石とは違い、鑑別書ではなく「鑑定書」が付属します。