宝石のイラスト・ヘソナイト(オレンジ・グロッシュラーガーネット )【1月の誕生石】
Hessonite
ヘソナイトは、グロッシュラーガーネットの一種で、オレンジ褐色をした宝石です。高品質とされるのは、明るいオレンジ褐色の結晶で、スリランカの変成岩や砂礫層から産出されます。古代のギリシャやローマでは、ヘソナイトを用いたカメオやインタリオなどの装飾品が作られていました。
こちらのページでは、ヘソナイトの魅力と楽しみ方を紹介します。
原石の種類 | :鉱物種グロッシュラーガーネット |
モース硬度 | :7〜7.5 |
結晶系 | :等軸晶系 |
化学組成 | :カルシウム・アルミニウム珪酸塩 |
劈開 | :なし |
光沢 | :ガラス状 |
色 | :オレンジ、褐色 |
珍しいインクルージョンで、鉱物愛好家にも好まれる石
ヘソナイトは、ルースとしてしばしばコレクターや鉱物愛好家から好まれます。透明度が低くそれほど鮮やかではないヘソナイトがルースとして注目されるのは、最大の特徴ともいえるユニークな内包物によるものです。
語源にギリシャ語の「Hesson(数字が低い、劣る)」を意味するヘソナイトは、他のガーネットに比べて硬度が若干低く、見た目にもインクルージョン(内包物)を含んでいるものが多いのが特徴です。ヘソナイトに見られることの多いインクルージョンは「トリークル(糖蜜状組織)」といって、水の中に粘り気のある蜂蜜を流し込んだような色ムラができるものです。これは、結晶が成長する際にできる珍しいタイプのインクルージョンで、観賞に値する興味深いものです。
透明度の高いものはジュエリーとしても
ユニークなインクルージョンでルースとしてはマニアックな宝石に位置づけられるヘソナイトですが、希少性のある透明度の高いヘソナイトは、ジュエリーに仕立てると美しいものです。
スペサルティンガーネットの鮮やかなマンダリンオレンジ色に対して、グロッシュラーガーネットであるヘソナイトは落ち着いたオレンジ系色をもちます。また、ヘソナイトの中で赤みの強いものは「シナモン・ストーン」と呼ばれたり、赤オレンジ系のものは「ヒヤシンス」と呼ばれたりもします。
他のガーネットに比べて硬度が若干低いことなどから「劣る」を意味する宝石名ではありますが、少し落ち着いたオレンジ系色のヘソナイトはどんな服装にも合わせやすく、さり気ない存在感をアピールできるでしょう。