宝石のイラスト・ラピスラズリ【12月の誕生石】
Lapis Lazuli
ラピスラズリは、ラズーライトを主に、ソーダライト、カルサイト、アウインなど複数の種類から構成される真っ青な宝石です。中でも最高品質とされるのは、白色のカルサイトと金色のパイライトを含むもので、まるで夜空に輝く天の川のように見えます。
こちらのページでは、ラピスラズリの魅力と楽しみ方を紹介します。
原石の種類 | :有機物ラピスラズリ/和名【青金石・瑠璃】 |
モース硬度 | :5〜6 |
結晶系 | :等軸晶系 |
化学組成 | :ラズーライト、その他鉱物 |
劈開 | :なし |
光沢 | :ロウ状~ガラス状 |
色 | : 紺青色の中に、金色や白が混ざる |
12月の誕生石でも知られる、鮮烈な青い宝石
ラピスラズリは、トルコ石とともに12月の誕生石としても知られる宝石です。強烈で隙のない青色は、透明の宝石とはまた違った魅力があり、古くから支持されてきました。
品質判断のポイントは、着色ではない天然の色であること。また、フラットに研磨した石の場合は、青色が石全体に広がっていて色ムラのないものが理想的です。
人工的に着色されたものは、そうでないものに比べて色落ちしやすいといえますが、用途や保管状況などのさまざまな要素によってもその程度は変わってくるでしょう。
宝石ラピスラズリの歴史
ローレンス・アルマ=タデマ 「モーゼの発見」(1904)
古代エジプトで珍重されたラピスラズリは、ファラオ、王族、神官などの祭司階級だけしか身に付けられなかった時代もありました。
歴代のファラオに尊ばれ、その価値は黄金に匹敵するほどだったとか。
ツタンカーメンの黄金のマスクにも、青いガラスとともに飾られているのはよく知られているところです。
ラピスラズリの石を砕いて粉にしたものは、アイシャドーとしても使われました。
当時の人々は毒性のある石をアイメイクに使うことで、ナイル川から発生するハエや害虫などからの眼病予防をしていたそうです。
中世ヨーロッパではラピスラズリを砕いて粉にしたものが絵の具として使われました。
鮮やかな青色とアフガニスタンから遠く海を越えてきた顔料は「ウルトラマリン」と名付けられ、600年以上前に描かれた絵画の青い色は、今日まで色褪せていません。
ウルトラマリンを愛用したことで有名な画家といえば、フェルメールでしょう。
「真珠の耳飾りの少女」「青衣の女」などさまざまな作品で見られる美しい青色は通称“フェルメールブルー”として世界中で親しまれています。
ジュエリーならアンティーク感を楽しみたい宝石
ラピスラズリは硬度がそれほど高くないため、デリケートな宝石に分類されます。
表面に細かな傷がつきやすいため、ジュエリーとして光沢感をキープするのは容易ではありませんが、傷もひとつの個性と捉えて、アンティークな雰囲気を楽しむのもよいでしょう。