絵画の人々を彩る赤珊瑚ネックレス

絵画の人々を彩る赤珊瑚ネックレス

古くから装飾品として身につけられてきた、生命力あふれる鮮やかな赤い珊瑚。

子どもを守り、女性たちを彩ってきたこの宝石は、絵画の中にも描かれてきました。

少女たちの赤珊瑚ネックレス

セリーヌとロサルヴィナペルティエは、ケベックの裕福な商人の娘でした。

この肖像画では、少女たちは赤い珊瑚のネックレスを身に着けています。

これは19世紀の習慣であり、赤サンゴは子どもをあらゆる病魔から守る癒しの宝石とされたことによるものです。

セリーヌは結婚し、ロザルビナはケベック総合病院のアウグスティヌス修道女の見習いとなりました。

他にも、ヨーロッパを中心に赤サンゴのネックレスを身につけた少女たちの肖像画が表情さまざまに残されています。

フレデリック・サンズが描いた赤珊瑚ジュエリー

フレデリック・サンズ 「媚薬とイゾルデ」 (1870)

フレデリック・サンズ(1829-1904)の絵画には、赤珊瑚ネックレスを身につけた女性がたびたび登場します。

こちらの女性は、中世ヨーロッパの恋愛物語「トリスタンとイゾルデ」に登場するアイルランドの王女「イゾルデ」。

王女が首にかけている赤珊瑚ネックレスとシンプルな耳飾りが青いドレスに映えています。

よく見ると、右の手首にもブレスレットをはめていますね。

フレデリック・サンズ 「メデイア」 (1866-1868)

こちらは、ギリシア神話に登場するコルキスの王女「メデイア」です。

眠りの魔法や若返りの魔法に優れた魔女でもあります。

鮮やかな血赤珊瑚が幾重にも重なったネックレスが、魔女メデイアの何とも言い難い表情を一層神秘的に引き立てていますね。

フレデリック・サンズ 「ヘレネ」 (1867)

ギリシア神話に登場する女神でメネラウスの妻「ヘレネ」です。

この女性もまた、怒ったような印象的な表情をしていますが、白い肌に赤珊瑚ネックレスの鮮やかな赤がひときわ美しいコントラストですね。

ロセッティが描いた赤珊瑚ジュエリー

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「モンナ・ヴァンナ」(1866)

女性画を多く描いたダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(1828-1882)の絵画にも、赤珊瑚を身につけた作品が存在します。

こちらは、ロセッティのお気に入りのモデル、アレクサ・ワイルディングの肖像画です。

巻貝をモチーフにしたヘアアクセサリーや肩の羽毛の扇とともに、赤珊瑚のネックレスが飾られています。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「レジーナ・コルディウム」(1860)

作品のモデルは、この年に結婚したエリザベス・シダルという女性です。

「思慮深さ」「純愛」を意味するパンジーを手にもち、首にはハートのペンダントをしています。

神の首にもかけられた赤珊瑚のネックレス

ラファエロ・サンティ 「三美神」 (1504-1505)

ギリシア神話の三美神・カリスの一柱「アグライア」が象徴するものは「輝き」です。

輝きを象徴する神の首には、赤珊瑚のネックレスがかけられているのが分かります。

宝石と名画カテゴリの最新記事